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確か20年ほど前だろうか?。いや、それよりもちょっと前だったような気がする。月曜日の夜7時半からのTBSは「人生ゲーム ハイ&ロー」という番組を放送していた。私の記憶が確かならば、大場久美子の「コメットさん」から「刑事犬カール」と続いた時間帯の後番組で、スポンサーはそのままブラザー工業だった(はず)。
司会は愛川欽也。視聴者の3家族(の親父)がサラリーマンとして社長までの出世を競うすごろくゲームである。この3家族が毎回それぞれ胡散臭い。夫婦(何故か若い感じの夫婦は出ない)と子供一人の組み合わせであるが、子供は娘の場合が多く、お嬢さん崩れの娘がよく出ていた。髪は染めていないし、もちろん、化粧気もない。たぶん今時はあまり目にすること無いだろう。しかし、実際はお嬢様なわけがなく、賞金、賞品目当ての家族たちである。「○○さんは社長さんだそうですが、今日は平社員からスタートしていただきます」、という司会者からの紹介がわざとらしい。見るからに大きな会社の社長ではなさそうだ。
ルール自体は非常に単純で掲示板のトランプをめくりながら、駒を進める。一定のマスおきに「課長」や「部長」と出世を重ね、時間内に最も早く、社長にゴールするか、ゴールする家族がいない場合はゴールに最も近い家族が優勝となって、最後にボーナスゲームの挑戦権を得る。単に進めば出世できるところが(かつての)年功序列、それに転職もしない、終身雇用をベースにしていた。ボーナスゲームと言っても、当時の懸賞法の制約で最高でも100万円。ここでボーナスゲームで100万円を手にしてしまうと、それまでに獲得した商品を放棄するか、商品を手にする代わりにその代金分を現金から減額されてしまう。
各マスでは司会者が読み上げるクイズに答えることで、家電品や旅行などの商品がもらえた。クイズの回答は二者択一の「ハイ&ロー」、大きいか、小さいかである。ルールが複雑すぎると視聴者が離れてしまう。ルールは出来るだけ単純な方が良い。しかし、この様な番組ではハラハラ感がそれ以上に大切である。この点において、この番組は番組に出ている参加者間は商品の横取りのルールがあるなどハラハラ感を十分に楽しめたと思う。ただ、クイズは低レベル、特殊な能力など関係なく、運だけで楽に賞金や商品が獲得出来るとなると、テレビを見ている側は全く面白くない。
それに何より、「キンキンカード」というルールで他家族の獲得商品を横取りする時の彼らの露骨に欲望をむき出しにしている姿。例えば、司会者が、どの家族の何が欲しいか聞く前に、それをコールしたり、指を差しながら、ヒソヒソと何が良いか家族で話し合っているシーンが画面に映ったりすると、あまりもの強欲ぶりに辟易してしまう。この人間臭さを冷静に観察して笑うには良いサンプル番組だったと思うが、さすがにその当時の私にはこのような感性は持ち合わせていなかった。
(秀)
プロ野球日本シリーズはヤクルトが近鉄を下し、やや盛り上がりに欠けたまま終了し、今年のプロ野球もその幕を閉じた。今年は開幕から全体的にプロ野球熱は低調のまま、テレビ中継の視聴率も苦戦の状態で、長嶋監督の辞任が最も大きなトピックスとなってしまった。それと、イチローの活躍で多くの関心はそちらに向いてしまった。従来よく言われている日本シリーズの経済効果も今年は小さなものだったろう。
個人的な意見であるが、ヤクルトだろうと、巨人だろうと、セリーグの優勝はどこでも構わない。元来プロ野球に興味がなく、セリーグはどこが優勝しようともその経済効果が私に及ぶことはないから。一方、パリーグの場合は大いに関心がある。やはり西武の優勝が最もうれしい。去年のダイエーの場合もその恩恵にあずかろうと、系列のスーパーに出かけてみたが、食料品などの日常品だけが安い印象でちょっと落胆した。
西武が優勝すると、西友へ出かける。衣料品などがリーグ優勝すると2割引、日本シリーズでも優勝すれば今度は3割引である。ここでちょっと悩む。リーグ優勝のタイミングで買うか、それとも日本シリーズまで待つか?。待ったがために、狙っていた商品が売れてしまうかもしれない。日本シリーズで敗れた場合も「応援感謝セール」が行われるが、割引率は低くなる。
西武が優勝する度に、このセールに乗じてスーツを買うことにしている。この時期に冬のボーナス払いで。というわけで、ここ2年、西武が優勝から遠ざかっているため、冬物の新しいスーツは買っていない。優勝記念セールの際、松崎しげるが歌う、西武ライオンズの歌が店内放送され、ややうっとうしいが、それでも西武の優勝を願っている。いや、優勝記念セールを願っている。在庫処分だと十分承知の上で、だまされてやる。
(秀)
聞き噛りの話だが、現在開催中の東京モーターショーにフェアレディの新型車が出品されているらしい。フェアレディは既に生産を終了し、ここ数年、絶版車となっていた。これまで絶版になった車と言えば枚挙に暇がなく、私でさえもざっと20種類は言える。フェアレディ、コスモ、スプリンター、バラード、プレリュード、チェリー、パブリカ、セリカ、パルサー、ミラージュ、ラングレー、レオーネ、ルーチェ、カペラ、シティ、ターセル、クレスタ、チェーサー、コルサ、スターレット。もちろん、まだ言えるけど、ただ字数を稼いでいるだけであるのがばれそうなのでやめる。けど、これらの名前を見て懐かしい人は読者諸氏にも少なくないだろう。
ところが、一度絶版になった車のブランドが復刻するのはミゼットぐらいしか記憶にない。まだその蘇ったフェアレディの姿を拝んでいないし、スペックも見ていないので何とも言えないが、果たしてフェアレディの名を語るに相応しい車なのか気になる。先日のスカイラインの例があるから。今回出展されている車は市販に向けたファイナルバージョンに近いものらしく、来年に売り出されるそうだ。
エンジンは新開発の3.5リットルとのこと。この情報をくれた友人に問い掛ける。「じゃあ、(スカイライン)GT-Rもこのエンジンかな?」。おそらくそうなるようだ。ついでに名前もスカイラインGT-Rではなく、ニッサンGT-Rとなるらしい。「名前がないの?、トヨタ2000GTみたいだね」。「そう。優香とかhitomiと一緒だよ」。分かりやすい例えなのかどうだか。「それ、逆じゃないか(車は苗字があるけど名前がない)?」。
(秀)
トランシーバーはかつて男の子が欲しいおもちゃには必ずと言っていいほどランキングされていた。値段はだいたい5,000円くらいからで、誕生日やクリスマスのプレゼント(と言っても結構贅沢)、もしくはお年玉で買うもので、おもちゃ屋ではその高価さゆえ、ガラスケースにしまわれていた。このおもちゃの特徴として、誰もが持っていてもあまり意味がないというのがある。他機種との相互通信ができないからだ。
玩具として販売されているトランシーバーは2コ一組というのがほとんどである。それに送話口と受話口は共通でスピーカーが付いている。「ザー」っというノイズとともに相手の声が聞こえる。途端にトランシーバーを耳にあてる。「----、どうぞ」。「了解!」。話す時は横のボタンを押して話す。半二重通信(もちろん、その当時はそんな言葉は知らない)だからしょうがない。工事現場の側を片側ずつ車が通っているようなものだ。相互に切替えないとお互いの話が聞こえない。よって、伝文の最後には「どうぞ」、と言わなければならないし、聞き取った側もその旨返信するし、返信が長くなる場合は「どうぞ」で締めくくる。送話口が独立したマイクロフォンになっているのもあるが、それはその分高価で、音はクリアになる。しかし、半二重通信であるのは変わらない。
通信料金は掛からないが、唯一気になるのは電池のこと。ほとんどが9ボルトの角電池で、これは他の電池より高額である。まだ電池が残っているかを確認するために両電極を舌で舐めて、そのビリリ感の具合で残量を確認したりしたものだ。そろそろこのおもちゃに飽きて来るのと、電池が切れるタイミングが重なってしまうと、次第に遊ばなくなって、ほこりをかぶってしまう運命へと辿り着く。
トランシーバーの魅力の源泉は見えないところの相手の声が聞こえること。しかも、移動しながらという付加価値が付く。今となっては携帯電話と比べるとまさにおもちゃでしかない。しかし、その不完全さと接続先が限定されるところに、仲間意識と言うか、秘密の匂いが隠れている。混線して、タクシー無線がしばしば入る。秘密を一つまた盗み聞きした複雑な気持ちとともに、ノイズの向こうから友達の声がする。「応答せよ、応答せよ、どうぞ」。私も読者からの返信を待っている。「応答せよ!」。
(秀)
会社の同僚にマジシャンがいる。小学生のときからと言うからには、キャリア約20年と言ったところか?。まさに彼の手さばきはプロ並。唯一の弱点は舞台度胸が今いちないところ。ただでさえ多くの人前だと緊張する、と言っているが、会社の飲み会で取締役などの前での披露となると、手が震えていたりする。まあ、その程度で彼がミスることはないけど。
手品の話をコラムで表現するというのは無謀かもしれないが、是非伝えたい。先日はこんな手品を披露してくれた。トランプをシャッフルし、二人の人にカードを一枚ずつ引かせる。引いたカードは誰も見ない状態で当座伏せておく。「今2枚のカードを引いてもらいましたけど、それは同じマークのカードです。そして、ここに使用していないカードが一枚あるのですが」、と言ってトランプのケースに残っていた一枚の伏せられたカードを取り出す。「この(トランプケースから出した)カードはあらかじめ選んでおきました。このカードはさっき抜いてもらった2枚のカードと同じマークで、数字はその2枚のカードの数字を足したものです」。
彼の予言を聞いて、会場が一瞬ざわめく。中から、「でかい数同士だったらどうすんだ?」という声も聞こえる。「それでは先程引いてもらったカードを見せて下さい」と言われ、先程の二人がカードをめくって示すと、それは「ハートの7」と「ハートの8」だった。さっき以上に会場がざわつく。笑い声も聞こえる。今度ばかりは失敗したと思った人も多かったはず。
ここで彼も「やばー」とでも、困った顔のひとつでもしてくれれば良いものの、彼はにやにやと余裕の顔をしている。満を持して彼が選んでおいたカードをめくると、そこには「ハートの15」と書かれていた。爆笑とともに、会場は拍手で包まれた。
(秀)
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