・  ・ 

第116話 〜1999/10/4〜

■伝承者

 最近小学一年生の長男に消費税について教えようとしているが、相手が知っている限られた知識の範囲で教えるとなるとなかなか難しい。100円小遣いを渡すとコンビニで額面通りの買い物をしようとするので、10円(5円玉がなかった)余分に渡してもその10円の意味が分からず、レジで10円は手から放さず、お姉さんの「105円です」という声に100円だけ出して凝り固まっていた。半額は「はんぶんのおかね」と理解しているのだが、教えることと理解できることがどうもケチくさい。

 そんな長男もかつてはポケモンという他の生命体になりたいと言ったり、地球防衛軍の隊員になりたいなどと言っていたが、小学校に通うようになってからは多少現実的な判断ができるようになって来た。最近は「ロボット博士」になりたいと言っている。マジンガーZやゲッターロボ等に妙に詳しいオタクのことではない。ロボットを作る博士のことである。「ドラえもんを作る」と言っているので、「ロボコンにしておきなさい」と現実路線への誘導をしている。

 一方、長女の方は3年生である。勉強は苦手な方だが、なかなか味のある作文を書いたりする。「所詮、よその子」と思うだろうが、彼らの存在が読者諸氏にまったくの無関係でもない。私に万一のことがあった場合には彼らが「秀コラム」の伝承者なのだから。現在、ローマ字入力の特訓中。

(秀)

※「秀コラム」の「秀」は私の苗字からとったものです。
参考コラム:
第28話 「ウルトラマンになれない少年」


第117話 〜1999/10/5〜

■露店

 秋祭りの季節となった。祭りの語源は「まつる」という言葉から来ているわけだが、多くの人々の関心事は主役の御輿などの神事よりも軒を並べる露店かもしれない。たこ焼き、わたあめ、クレープ、あんず飴。材料の原価を考えると、なんと荒利率の良いことか。その一方で、最近は「くじ屋」というのが随分増えている。300円程度でくじを引かせ、テレビゲームやカードが当たるというものだ。子供達の射幸心はいやが上にも煽られ、小学生などは格好の餌食であろう。

 今は「遊戯王」のカードというのが、男の子に特に人気らしい。くじ以外でも珍しいカードを販売していたりするが、1枚のカードが1,000円から上は10,000円ぐらいの値付けとなっている。通常買えば、5枚150円でしかないのに(もちろんくずカードがほとんどだろうが)。もちろん子供達もキラキラに光ったこれらのカードを狙ってくじを引いているのは間違いない。しばらく足を止めて、くじの出目を調査してみた。くじをめくると数字が書かれているものであるが、予想通り「はずれ」の番号しか出てこない(それでもくずカードが2枚もらえる)。別の店では同じカードが下敷きやはがきの大きさになっているものもあった。よく見れば、カラーコピーをラミパックしたものだった。何たる悪質。Copyrightのマルシーマークまでもコピーされているところが妙に面白い。それ以上に、これだけのレアなカードがどうしてこのような業界の人に大量に流れているのかが不思議でたまらない。

 うちの子供達も買いたそうに店先で足を止めるが、買ってあげない。「当たるはずがない」と説明している。これはあくまでも私の推論でしかないが、あのくじの中には始めから当たりなど入っていないと思う。以前、テレビゲームが当たった人のポラロイド写真を店先に貼っている店があったが、その写真が本物である証拠はないし、たまに当たりが出るとしても年に何度のことだろうか?それぐらいの枚数の写真である。露店の奥に掲げてある、ドリームキャストやゲームボーイの箱が随分日焼けしていて、汚れている。それが証拠である。

(秀)

from.Kazumasa


第118話 〜1999/10/6〜

■探偵ごっこ

 昔テレビで見ていた探偵は格好良く、警察にも一目置かれ、捜査に協力したりしていたが、実際のところは浮気調査や家出人の捜査というのが多いようだ。ドラマの中では依頼により調査したネタで相手をゆすったり、相手に買収されたりする、およそ正義とは対極にいる探偵なんてのも出て来る。許認可もなく、勝手に始められる商売だからだろうか?。明智探偵がいないのは残念だが、怪人二十面相もいないから、まぁいいか。

 少年探偵団というのは江戸川乱歩の作品の中に怪人二十面相と戦う少年達として描かれているが、最初にラジオドラマとして放送された時から子供達には大人気だったらしい。僕等がテレビで見たのは最初のラジオから数えて、何度目のドラマ化かなのかは分からないが、昭和51年に日本テレビで放送されていたものを記憶している。怪人二十面相を団時郎(帰って来たウルトラマン)、小林少年をキャロライン洋子の兄貴(黒沢 浩)が演じていたが、残りの配役は明智探偵も含めて忘れてしまった。けど、主題歌は今でも歌える(もちろん、「ぼ、ぼ、僕等は少年探偵団」ではない。これは昭和35年版)。

 テレビ放送が始まると早速、探偵ごっこが流行った。雑誌の付録に「探偵手帳」なるものが付いてきたりもした。変装の仕方は子供騙しでしかないし、尾行の仕方を読んで実際に行動し、事件に巻き込まれたらどうするんだろうと今となっては思えたりする。探偵と言えば七つ道具である。真似て作ったりもしてみたが、当時はサンスター文具の「スパイセット」を買うのが主流となった。確か、500円ぐらいだったと思う。指紋の採集セットや水に溶ける紙、片方のインクで書いた紙をもう一方のインクでなぞることで文字が現れるマジックペンなどが入っていた。

 道具も揃ったところで探偵ごっこの開始である。最初は秘密基地探し。「秘密」と言っておきながら誰かが裏切って基地を教えてしまうと楽しさのボルテージは一気に萎えてしまった。基地ごっこに飽きたら、尾行へと進む。クラスの女の子の後をつけたり、家を探しに行ったり。今風に言えば「ストーカー」ということだけどね。

(秀)

※書棚を探していたら、「スパイセット」の載った雑誌がありました。詳しくは以下の写真アイコンをクリックして下さい。正しくは480円でした。

←サンスタースパイセット


第119話 〜1999/10/7〜

■2000円札経済論

 デノミネーションとは一般に「通貨単位の切り下げによる呼称の変更」のことである。特に日本では100円を新1円にする、100分の1デノミがこれまでに何度も話題なっているが、大蔵省の反対によって毎度潰されているらしい。デノミ実施の理由があまり積極的でないからでもあろう。その理由というのは「他国通貨に比べて円の価値が相対的に小さいから」である。1ドル=100円では2桁も違うため、1ドル=1円にしたいというわけだ。確かに通貨単位で相対的に日本円より小さいのは「ウァン」ぐらいしか思いつかない。他国ではインフレの事後処理としてデノミを実施しているようだが、日本でもオイルショック以後の低成長期になって、デノミ待望論が出たことを、父が新聞を読みながら話してくれたことで記憶している。デノミなんて言葉は父の口からは出てこなかったが。

 クレイジーキャッツの「これが男の生きる道」という曲の中に「もらう給料は1万何ぼ」という歌詞が出てくる。昭和37年のことだ。自分たちの親の世代ぐらいだろうか。資料を調べてみると、大卒公務員の初任給は確かにそのぐらいである(民間企業の方が遙かに良い)。それから約40年近く経つわけだが、前半の約20年と後半の約20年のインフレ率を比べれば、後半のその緩やかなことは読者諸氏の想像にも難くないだろう。特にここ数年はデフレ環境下でもある。デノミは物価が安定しているときに実施するのが理想だ。ただ、デノミの後には必ずインフレが起きる。借金をしている人は借金が目減りするから、ある程度のインフレを希望しているのだが、そのことで債権者(銀行)が損失を被るため、大蔵省がデノミを拒絶しているような気もする。

 2000円札発行の新聞記事のサブ見出しに「デノミへの布石か」というのを載せた新聞があった。あいにくその記事は読んでいないが、この記者は小渕総理の話をどうとらえたのだろうか。「西暦2000年だから2000円札」という、あまりにもストレートな理由である。これをデノミで20円札にするようなことは当分できないような気がするのだが。ボキャ貧総理の安直な思いつきで、多くの人々のデノミによるインフレ待望論は水を差されたようだ。

(秀)


第120話 〜1999/10/9〜

■インディーズの叫び

 まさにインディーズ状態である。「秀コラム」Webのことだ。テレビでビジュアル系のバンドでも見て、「あれぐらいなら、俺だって」とミュージシャンを夢見て、バンドを始めたようなもんだ。オリジナルはたくさんあるが発表の機会がない。「しようがないからストリートで歌うとするか」。しかし、駅前には至る所に先客がいる。しばらく彼らを眺めてみた。「何だオリジナルの曲じゃないんだ」=「リンクばっかりのサイトじゃないか」、けど、そんなところの方がかえって人垣ができていたりする。「おいおい、さっきから同じ歌ばっかり歌っているぞ」=「最近、いつ更新したんだ」と思い、自分も早速歌い始めた。

 けど、なかなか人が足を止めてくれない。初日には仲間を寄せ集めて何となく体裁を保ったが、その友達は今日も来てくれるのだろうか。次ぎなる手は楽器屋の掲示板へのビラ貼り=ホームページ紹介サイトへの書き込みである。これで、ちょっと足を止めてくれる人は増えたがまだまだ満足ではない。とりあえず、毎日ストリートで歌うことが肝心とばかり、サイトは毎日更新することにした。いよいよビラ撒き(メールマガジン)も始めるか??ついでに、駅前にパソコンを持ち出してストリートで自分のホームページを見せるとでもするか。なんか街頭テレビみたいだな。松戸近辺でそんな人の噂を聞いたらそれきっと私のことだろう。

(秀)


 ・  ・