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第41話 〜1999/6/9〜

■特殊能力刑事

 最近の刑事ドラマは不況のせいか、派手な撃合いやカーアクションを見せ場としたものがめっきり減ってしまった。その一方で、最近の主流は一般の刑事にはない、特殊な推理力や知識で事件の解決を図るものである。  中森明菜演じる杉嶋刑事(階級はたぶん警部補だったと思う)。彼女はプロファイルなる分析手法で犯人の割り出しを行う。事件の特徴をこれまでの事例と照らし合わせて、犯人の性向などを炙り出そうというものである。プロファイルが現実的にどれぐらいの可能性を持つものかはよく分からないが、酒鬼薔薇事件のときに多くの識者達が語った、「非常に教養のある成人」という話を思い出すと疑いたくなる。例え犯人の目星が着いたとしても証拠を得た訳ではない。それでも犯人が毎回無事に逮捕されるところがストーリー展開として弱い。

 続いては中谷美紀演じる柴田警部補。彼女は新人ながらキャリアであるため、既に警部補である。彼女の能力は頭の回転が速いことである。ただ、迷宮入りとなった事件を過去の調書を手掛かりに事件を解決するにはやはり無理を感じる。けど、彼女のキャラクター、東大卒のキャリアでありながら鈍くさいところがあったり、おしゃれには全く無関心であることが単なるスーパー刑事でない所をうまく見せて、バランスが保てている。ただ、彼女は今回のキャラクターのインパクトが強いために他の芝居では苦労するかもしれない。

 これら2つのドラマは基本的には毎回一話完結であるが、伏線があり、トラウマや共演者の過去がそれに関係していて、山場である最終話を迎えた。

 そして最後は田村正和演じる古畑任三郎警部補。このドラマは最初に事件の犯行シーンを見せ、犯人をばらしてしまう、コロンボスタイルの展開を取っている。そのためドラマの面白味は古畑が如何にして犯人の手掛かりを探し出し、特定するかである。幾つかのポイントがあり、そのうちのまた幾つかはドラマを見ている側でも分かるが、全てを当てることは困難である。この加減が良いのであろう。謎解きへの参加意識とその一方にある、「なるほど」という部分のバランスの妙である。容疑者が必要以上に多弁でボロを出す場合がある。色々と細工を行ったことがかえって不自然で裏目に出ることもある。浮気の嘘もきっとこんな感じでバレるんだろうな。

(秀)

from.恩ちゃん


第42話 〜1999/6/10〜

■タイムマシン

 高校の退屈な午後の授業中に「タイムマシンの可能性」について考えたことがある。授業の内容とは全く関係ないけど。その結論は「タイムマシンはできない」。単純だが極めて論理的な理由がある。まず、自分がタイムマシンを手に入れたとするとどうしたいかを考えた。やはり、未来を見てみたい。そして過去も見てみたい。具体的には幕末頃に出向き、ちょっと洒落たことでもしてみたい、と思った。これで証明のための材料集めは十分である。仮にこれから一万年後にタイムマシンができたとしよう。別にこれは千年後でも来年でも構わない。そしたら、そのタイムマシンで過去にも行くだろう。しかし、これまでの歴史でその様な記録は存在しない。よって、タイムマシンを作ることは無理なのである。すると必ず変なことを言い出す人がいる。「過去には行けないけど、未来には行けるんだ」とか「過去に現れてもタイムパラドクスが生じるから、その時代に痕跡を残さないようにしている」とか「UFOは未来人のタイムマシンだ」などとね。

 時間を超越することは科学的に無理らしい。ただ、時間の進行を加減することは論理的に可能らしい。時間は相対的な存在である。時間は原子の振動数によって規定されている。重力が大きければ原子の振動が緩慢になり、万物は原子で構成されているから、結果時間がゆっくりと流れることになる。高速での移動中も時間はゆっくり流れるらしい。ただ地上の生活で重力の差異や高速移動による時間の差を実感することは極めて困難、まず無理である。その期待は宇宙空間が対象になる。

 タイムマシンは無理だが時間の進行の差を利用したタイムトラベルの可能性は存在する。ちょうど浦島太郎のようなことだ。自分だけ時間の進行の緩やかな世界で生活し、元に戻った時にかなりの時間が経っていたという話だ。子供向けの話としてはかなり科学的には高尚な話なのである。それを理解して作ったかはもちろん疑問であるが。原作の「御伽草子」の中では、浦島太郎は年を取った後に鶴になって飛び去っていくことになっている。私にとっての一番の疑問は乙姫様が何故彼に玉手箱を渡したかである。愛の裏返し。女性の恐さなのだろうか。

(秀)


第43話 〜1999/6/11〜

■夏をあきらめて

 ノストラダムスの予言の日までとうとう1ヶ月を切ってしまった。さあ、今年の夏のことなどあきらめて、好きなものを買って(もちろん借金で)、今を楽しもう。うまくいくとそれで景気が回復するかもしれない。そのときが来なければ元も子もないが、それはそれで責める人ごと消えているからOKである。けど、それなのに、この静寂が無気味だ。嵐の前の静けさか。不安になり、書店を覗くとそれなりに「ノストラダムスコーナー」なるものが存在し、ちょっと安心したりする。人類の終焉が不安なのではなく、あれほど以前騒いでいながら旬の今騒がなくてどうするんだ、というよこしまな不安である。はなから自分は予言など信じていない。

 ノストラダムスの一大ブームは遡ること'74年だったと思う。「ノストラダムスの大予言」という映画も作られた。国内ではそのちょっと前に「日本沈没」という映画も公開され、滅亡・全滅のブームを迎えた。今この「ノストラダムスの大予言」をテレビで放送すればそれなりに視聴率も取れるだろうが、そんな予定はないし、レンタルビデオショップにも並んでいない。予言の存在を知ったのは小学2年生の時だった。少年向けの雑誌、テレビランドの巻頭でおどろおどろしいイラスト付で紹介されていた。いたいけな少年をそんな恐怖に陥れてどうする。臆病だった自分はその月はテレビランドではなく、競合誌のテレビマガジンを買った。

 所詮予言などは言葉遊びでしかなく、後付けで幾らでもこじつけは可能である。ヒトラー率いるナチスの登場も然り。以前関連本を読んだことがある。彼の予言は今回の1999年の件で終了している訳でなく、2015年にスペースシャトルで宇宙へ人間が移住して行く(と解釈されている)予言も存在していると紹介されていた。

 せっかくの旬だからもっと世の中も騒げば良いのに。「ノストラダムス保険」とか。けど、もし当たってしまうと保険金を受け取ることができない。渡す方も渡せないけどね。

(秀)


第44話 〜1999/6/14〜

■ナイアガラ

 最近はカップメンスタイルの方のPRに盛んであるが、個人的には「出前一丁」は袋面の方が好きである。この商品の魅力はやはり「ごまラー油」の風味に尽きる。ただ唯一の弱点は卵とあわないことである。袋面のラーメンの場合、鍋でこさえて、最後に卵を落としたりするが、出前一丁にはNGである。卵との組み合わせは、どちらかというと塩ラーメン系の方が良いようだ。

 今は出前坊やのアニメーションがCMに使われているが、かつては「あ〜らよ、出前一丁」というアタックの入ったCMだった。そのアタック部分のメロディを作曲したのは大瀧詠一で、自ら声を出していた。彼の名前にピンとこない人のためのヒントとしては、ちょっと前のキムタクと松たかこのドラマ「ラブジェネレーション」の主題歌、「幸せな結末」を歌っていた人である。歌手の時は「大滝」、曲を作るときは「大瀧」となる。彼は随分昔、「ハッピーエンド」というバンドをやっていた。ドラマの主題歌は「ハッピーエンド」=「幸せな結末」という洒落であった。

 彼の曲を意識して聞いたのは「A LONG VACATION」というアルバムで、'80年のリリースだったと思う(正しくは'81年のリリースだった)。しかし、実はそれより以前からテレビでテレビCMの中で聞いていたのだ。出前一丁もその1つである。面白いことに彼のレコードには自分のCMソングだけ(そのほとんどは自演)、しかもほとんどが10秒前後の作品というものを集めたものが2枚ある。1枚目は'73年から4年間続いた、三矢サイダーのCM曲の他、出前一丁などなどが収録されている。ほとんど聞き覚えのある曲ばかりであった。2枚目は佐野元春、杉真理と一緒に資生堂のCM曲、「A面で恋をして」をリリースして、しばらくした頃に作られている。1枚目は持っているけど、こっちは持っていない。

 ところで、このコラムのタイトルが何故「ナイアガラ」なのか分からない人のために説明すると、大きな滝=「ナイアガラ」、ということで名付けた、彼のレコードレーベルから頂戴したわけさ。

(秀)


第45話 〜1999/6/15〜

■アベマリア

 「アベマリア」、「ミズタマリ」ついでに「オダマリ」、「オオバカナコ」。きっとこんな名前の人がいるんだろうな。タイトルから今回はシューベルトに関する内容だと思ったあなた、残念でした。私はあいにくクラシック音楽には造詣がないのだ。話を戻そう。そもそもの本名として名付けられなくても、愛する人が「アベ」だったり(、けどマリアという名前はそんなにないだろう)、「ミズタ」だったり(、この苗字は少ないだろう)、「オダ」だったり(、これが確率的には一番ありそうだ)すればこんな名前になってしまうのかもしれない。せめて本人と友達になれないなら、それだけの理由で養子に来て欲しいと言われた、「アベ」さんや「オダ」さんでも良いけど。

 今回は名前を付けることの話である。一般に物の名前に「屋」を付けると、それを売っているお店のことになる。

 さて、インターネットの応用の一つで株主総会をインターネットで中継するサービスを販売している会社がある。商売のほどはよく分からないが、一時記事で紹介されたりもした。「SPA!」を読みながらそんなことを思い出した。インターネット総会である。一方「SPA!」に載っていたのは、インターネットを舞台に悪行を重ねる総会屋の話題である。悪口雑言をホームページに書き連ね、それを会員限定の有償サービスとして、ターゲットの会社から金を引き出そうとする輩、インターネット総会屋である。さあ、みなさん。前者のインターネットでの総会を売っている会社を何と呼べば良いだろうか。

(秀)


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